2025年、Googleが「パスキーをデフォルト設定にする」と発表したことで、パスワードに代わる新しいログイン方式が注目を集めています。
背景には、増え続けるセキュリティリスクとパスワード管理の負担があり、パスキーはそれらを解消する新たな手段として注目されています。
この記事では、パスキーとは何か、なぜ今注目されているのか、そして導入にあたっての基本的なポイントを、わかりやすく整理していきます。
パスキーとは?Googleが進める新しいログイン方式
パスキーとは、パスワードに代わる新しいログイン方式で、スマートフォンの顔認証や指紋認証などを使って安全にアクセスできる仕組みのことです。
GoogleやApple、Microsoftなどの主要IT企業が導入を進めており、Googleでは2023年から対応を開始。2025年には、パスキーをデフォルトのログイン方法にする方針を発表しています。
ここでは、パスキーとパスワード、それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。
- パスワードを覚える必要がない
- フィッシング詐欺や盗用リスクがほとんどない
- ログインがスムーズでストレスが少ない
- スマホなど登録デバイスが手元にないとログインできない
- 対応していないサービスもまだ一部ある
- 複数の端末で使うには設定の理解が必要
- ほぼすべてのサービスで利用できる
- 自分の記憶だけでログインできる
- セットアップや初期設定が不要でシンプル
- 覚えるのが大変で、使い回ししやすい
- 流出・不正アクセスのリスクが高い
- 毎回の入力が面倒で時間がかかる
このように見比べると、パスキーは主に最新のセキュリティが求められるサービスで導入が進む方式であるのに対し、パスワードは現在も幅広いサービスで使われ続けている標準的な認証手段です。
技術的な整備や運用上の課題から、当面はパスキーとパスワードが併用される時期が続くと考えられますが、数年以内には「パスキー対応が当たり前」という時代が訪れる可能性も十分にあるでしょう。
なぜ今「パスキー」なのか?パスワードの限界と迫るリスク
これまで当たり前のように使われてきた「パスワード」ですが、近年ではその安全性に限界があることが大きな問題となっています。
実際、パスワードが流出してしまう原因には、次のようなケースが挙げられます。
- フィッシング詐欺
偽のログイン画面にだまされて、パスワードを入力してしまう - 大規模な情報漏えい
サイト側のサーバーが攻撃を受け、IDやパスワードが一括で流出する - 使い回しによる被害
他サービスで流出したパスワードが悪用され、別のアカウントに不正ログインされる
最近ではこうした手口がさらに巧妙化しており、どれだけ複雑なパスワードを設定しても、「パスワードを使うこと自体がリスク」と考えられるようになってきました。
こうした背景から、Googleは「そもそもパスワードを使わない」新しい仕組みとして、パスキーの導入を積極的に進めているのです。
“使ってみようかな”と思ったら?パスキー導入のヒント
パスキーに興味を持ったものの、「どう使うの?」「何から始めればいいの?」と感じる人も多いかもしれません。
ここでは、はじめの一歩として押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。
- まずはGoogleアカウントで試してみよう
GmailやYouTubeなど、日常的に使っているGoogleサービスはすでにパスキーに対応済み。
「Googleアカウントのセキュリティ設定」から簡単に有効化できるので、最初の一歩にぴったりです。 - すべてを一度に切り替える必要はない
現時点では対応していないサービスもあるため、パスワードとパスキーを併用する形でOK。
特に大事なサービスから、少しずつ切り替えていくのが現実的です。 - スマホが“鍵”になることを意識しよう
パスキーは、登録したスマートフォンやPCが鍵の役割を果たします。
万が一の紛失や機種変更に備えて、複数のデバイスに登録しておくと安心です。
「まずはやってみる」ことで、意外と簡単で便利だと感じられるはずです。
パスワードに代わる新しい選択肢として、今のうちに一歩踏み出してみることをおすすめします。
まとめ
これまで当たり前のように使われてきた「パスワード」ですが、近年ではその限界が明らかになり、セキュリティをめぐる考え方も大きく変わりつつあります。
とはいえ、「パスキー」もまだ発展途上の技術であり、使い勝手や安全性を見極めながら、少しずつ選択肢を広げていく段階といえるでしょう。
身近な「ログイン」という行動を見直すことで、デジタル環境をより安心・快適に整える――そんな新しい習慣に目を向けてみるのもいいかもしれません。









